中国楽器の発展史において、注意しなければならないのは弓で引く弦楽器の出現が、打楽器、管楽器とつき弾く弦楽器よりはるかに遅かったことである。史料の 記載によると、唐代(618-907年)になってはじめて竹の板を圧して作った「軋筝」と「奚琴」(宋代〔960-1279年〕に「嵆琴」と改称された) が現れたことである。宋代の嵆琴は馬のしっぽの長い毛で作った弓で演奏するものであり、「胡琴」(つまり胡弓)という名称もこの頃に現れた。元代 (1206-1368年)以後、胡弓を基礎としてさまざまなタイプの弦楽器へと発展をとげた。
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